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スマート農業・林業・水産業界では、自動化やデータ活用が進み、過酷な屋外環境に耐える機器が求められています。本記事では、ドローンやセンサーなどに不可欠な樹脂切削加工の用途や選び方、向いている加工機について解説します。
スマート化が進む一次産業の現場において、電子基板や通信モジュールといった精密機器を屋外環境から保護するカバーの存在は欠かせません。農場や森林、海辺などの現場では、雨水や土砂、強い日差しといった厳しい自然条件に常時さらされることになります。そのため、内部の繊細な部品を確実に守るための防水性や防塵性が強く求められます。切削加工によって作られる樹脂製のカバーは、金型を用いた成形品と比べて初期費用を抑えやすく、試作から小ロット生産まで柔軟に対応できる点が大きな魅力と言えます。
無人で稼働するドローンや自動農機には、カメラやセンサーの視界を遮らない透明なカバーが多用されています。このような用途において、高い透明度と耐衝撃性を兼ね備えたアクリルやPC(ポリカーボネート)といった樹脂素材が選ばれる傾向にあります。特にPCは割れにくい特性を持つため、障害物との接触リスクがある環境下での使用に適しています。これらの素材を切削加工で正確に削り出し、機器本体の形状に隙間なくフィットさせることで、機器の誤作動を防ぎ、安定した自律走行や飛行をサポートする役割を果たします。
スマート農業の現場では、広大な農地を自律的に走行する自動運転トラクターや、気温・湿度・土壌の水分量などを常時モニタリングする環境センサーが導入されています。これらの機器には、GPSアンテナを保護するドーム型のカバーや、センサー基板を収納するための専用ケースが必要です。炎天下での使用や農薬散布時の薬品付着を想定し、耐熱性や耐薬品性を持つ樹脂を削り出して部品を製作するケースが多く見られます。精密に加工されたケースによって、機器の故障リスクを低減し、長期にわたるデータ収集活動を支えています。
森林の地形把握や樹木の発育状況を確認するために、スマート林業ではレーザー測量用のドローンが活躍しています。さらに、山間部という電波が届きにくい環境を克服するため、通信中継機材を各所に設置する取り組みも進められています。こうした機材を保護するケースには、木の枝との接触による衝撃に耐える強度が求められるでしょう。軽量かつ頑丈な樹脂ブロックからの切削加工を用いれば、複雑な内部構造に合わせて、機器を保護するハウジングを製作することが可能になります。
養殖場などのスマート水産分野においては、海中の網の点検を行う水中ドローンや、水温・酸素濃度を測定する水質監視センサーが利用されています。水中に沈めて使用するという性質上、機器を覆うハウジング部品には極めて高い防水・耐水圧性能が要求されます。また、海水による塩害を防ぐため、金属の代わりに耐食性に優れた樹脂材が選ばれることも少なくありません。高精度な切削加工によって防水シール材を組み込むための溝を正確に彫り込むことで、水没による機材トラブルを未然に防ぐ効果が期待できます。
屋外で長期間使用されるスマート機器の部品を製作する際、どのような樹脂素材を選ぶかが製品の寿命を左右する重要なポイントになります。紫外線による劣化を防ぎたい場合は耐候性の高い素材を、障害物への衝突が想定される場合は耐衝撃性に優れたPC(ポリカーボネート)などを選択することが一般的です。また、軽量化を優先するのか、あるいは特定の薬品に対する耐性が必要なのかなど、使用環境の条件を詳細に洗い出すことが大切です。用途に応じた適切な素材選定が、過酷な現場での安定稼働に直結していきます。
防水性や防塵性を高めるためには、カバーと本体を接合する部分にOリングやゴムパッキンを配置することが有効です。このパッキンを正確に収めるための溝を掘る工程において、切削加工の精度が大きな意味を持ちます。溝の深さや幅、表面の滑らかさにばらつきがあると、そこから水分や細かな粉塵が内部へ侵入してしまう恐れがあるからです。高い技術力を持つ加工業者であれば、ミクロン単位での細かな調整を行い、高い密閉性を確保できる均一なパッキン溝を削り出すことが可能となります。
スマート機器の開発においては、使用条件に適した樹脂素材の選定から、パッキン溝を含む高精度な加工までを一貫して任せられる業者を選ぶとスムーズです。ワンストップで対応できる企業に相談することで、設計段階からの技術的なアドバイスを受けやすく、不具合の発生リスクを抑えることにつながります。また、複数の業者にまたがって手配する手間が省けるため、開発期間の短縮やコストダウンが見込める点も大きな利点と言えます。綿密な意思疎通を通じて、品質の安定した部品調達が実現するでしょう。
センサーを格納する立体的なケースや、内部に複雑な構造を持つ防水カバーの製作には、マシニングセンタを用いた切削加工が向いています。自動で複数の工具を交換しながら、素材の削り出しや穴あけ、パッキン溝の彫り込みなどを連続して行うことができる機械です。プログラム制御によって高い精度を維持したまま、立体的で入り組んだ形状をスムーズに作り出すことができます。試作品の製作から量産まで幅広い工程で活躍し、精密機器を保護する緻密な部品作りを支える重要な設備となっています。
ドローンのプロペラガードや、自動運転トラクターの操作盤を保護する平らな透明カバーなどを作る際によく用いられるのがNCルーターです。大きな板状のアクリルやPC(ポリカーボネート)などの樹脂素材から、必要な形状を効率よく切り出す作業に適しています。マシニングセンタよりも広範囲の加工エリアを持つ機種が多く、大判サイズのカバー製作においてコストや加工時間を抑えやすいという特徴があります。滑らかな曲線や大きな開口部を持つ板物部品の切り抜きにおいて、非常に頼りになる加工機と言えます。
円筒形のセンサーケースや、ケーブルを接続するコネクタ周辺の丸みを帯びた部品を製作する場合は、NC旋盤による切削加工が選ばれます。回転させた樹脂素材に対して刃物を当てて削っていく仕組みのため、円柱や円錐状の部品を滑らかに仕上げることが得意な機械です。カメラのレンズ周りを保護するリング状のパーツなど、真円度と呼ばれる丸みの正確さが求められる箇所において高いパフォーマンスを発揮します。用途に合わせて他の加工機と適切に使い分けることで、効率の良い部品製作が可能になります。
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