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NCルータには、アップカットとダウンカットと呼ばれる二つの加工方法があります。違いは工具と被削材の当たり方というシンプルなものですが、それぞれ用途や得手不得手があり、違いをよく理解しておくことが重要です。ここでは、NCルータのアップカットとダウンカットについて解説します。
アップカットは、工具の回転と進行方向が同じになるカット方法です。回転している工具が被削材をすくい上げるようにカットします。
NCルータを使用する場合、一般的にはダウンカットが採用されます。アップカットが用いられるのは、切削した断面の仕上げや、ダウンカットでは工具に負荷がかかる場合です。
材料をすくい上げるようにカットするため、アップカットには仕上げ面がキレイになりやすいという特長があります。切断面がキレイになり、表面に光沢を付けやすい加工方法です。
例えば、手持ち型のルータを使用する場合。コントロールの容易さや、操作難易度の観点から、ダウンカットよりもアップカットが安全と言われています。
アップカットとダウンカットを比較した場合、アップカットは工具の寿命が短くなる傾向にあります。その理由は、アップカットは被削材に刃が触れる面積が大きく、工具の劣化が早いから。基本的にはダウンカットが推奨されると覚えておきましょう。
ダウンカットは、時計回りで回転している工具が、上から下に目がけて被削材を削ります。アップカットに比べて、工具と被削材が一度に触れる面積が小さくなります。
前述しましたが、NCルータの使用において、一般的にはダウンカットが推奨されており、アップカットは局所的に用いられます。刃が一度に触れる面積が小さくなり、工具への負担が軽減され、工具の寿命が長くなるためです。
ダウンカットは、被削材と工具が一度に触れる面積が小さいため、ビビリ振動があまり生じません。
仕上げ面がキレイに整いやすく、また、工具へのダメージが軽減されます。
ダウンカットのデメリットとして、光沢が出にくい点が挙げられます。ダウンカットでは、刃物と被削材が擦れ合ってしまうため、光沢が出ません。
一方、アップカットは光沢が出やすいため、メインの加工はダウンカット、仕上げにはアップカットと使い分けるのが重要です。
アップカットとダウンカットには、それぞれメリットとデメリットがあります。基本的にはダウンカットが推奨されていますが、ダウンカットは光沢が出にくく、仕上げには不向きです。そこで解決策になるのが局所的なアップカットによって、ダウンカットのデメリットを補うことです。アップカットとダウンカット、状況に応じて使い分けましょう。
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