切削加工機メディア~切削ナビ~
公開日: |更新日:
NCルータを使って適切な加工を行ううえで重要になるのがツールパスです。加工する動作の指定、加工におけるシミュレーション、さらに作成データの流用で業務効率アップにも役立ちます。ここでは、NCルータのツールパスについて、必要性や作成手順を紹介します。
まずツールパスの意味についておさえておきましょう。
ツールパスとは、NCルーターの切削する工具が動く道筋をコード化したものです。ツールパスのほか、CL(カッターロケーション)データと呼ばれることもあります。
NCルータを使って加工する場合、工作機械が正しく動作するようにコントロールする必要があります。その動作に役立つデータがツールパスで、いわばNCルータ加工の根幹を担うともいえます。
ツールパスにおいて、言語の互換性について気をつけなければいけません。CAM内の言語を用いて作成されるツールパスは、NCルータでは正しく読み込めず、正しく加工できない可能性があります。
このトラブルを回避するため、変換機能を利用しNCルータに正しく読み込ませる必要があります。
どのような動作をするのか、適切な加工方法はなにか、といった検証がツールパスを使うことで可能になります。
工具の動作やトラブルの想定、対処法などの確認に役立つため、ツールパスを通さずに作成するよりも安定した生産に期待できるでしょう。
ツールパスで作成したデータは保存が可能で、一度設定すれば他の加工への流用も可能です。そのまま流用するだけでなく、修正や微調整にも対応し、業務効率の向上に期待できます。
ツールパスを作成する最初のステップになるのが、CADを用いた製図です。どのような加工が必要なのか図に起こし、問題ないかどうかCAMを用いて確認します。
次のステップは、加工に必要な工具や環境の設定です。被加工物の素材や完成予想図などの観点から、適切な工具やパーツを選定してください。
CADによる製図と加工する工具や環境が決まったら、続いては工具の経路を作成していきます。どのような動きをするのか、問題なく加工できるかなど、この段階でシミュレーションをしましょう。
シミュレーションをしてリスク管理も問題なければ、実加工を開始します。ツールパスのデータが有効か確認したらNCデータに変換し、加工を始めましょう。
NCルータを業務で活用する際には、ツールパスを作成しましょう。動作のシミュレーション、トラブルの想定やリスクマネジメントに役立ちます。
また、一度作成したツールパスは流用も可能で、似たような加工工程においては、ほとんど変更せずにそのまま流用できるかもしれません。微調整も可能で、1から作成する必要はなく、業務効率アップにも期待できるでしょう。
関連ページ
NCルータの基礎知識