切削加工機メディア~切削ナビ~
公開日: |更新日:
マシニングセンタとNC旋盤がどういった点で異なるのかを解説しています。タッピングセンタやジグボーラー、複合加工機など、さまざまな工作機械と比較しながら理解を深めていきましょう。
たった1台で、フライス加工や中ぐり、穴あけ、ねじ切、平面削りといった切削加工をすべてこなせる機械を、マシニングセンタといいます。また、これまでよりも複雑な形状の加工にも対応している、高性能な「5軸制御マシニングセンタ」も、近頃では広く使用されてるようになっています。
旋盤とマシニングセンタとでは、前者がワークが回転する仕組みになっているのに対し、後者は、工具が回転する仕組みになっていることが、おもな相違点だといえます。ちなみに、ワークを回転させ、バイトという切削工具にあてがって切削する方法のことを「旋盤加工」と呼びます。旋盤加工は、丸棒を材料とする加工をする際に採用されることが多い方法です。
穴開け加工の中でタッピング加工に特化し、ネジ製作におもに使用される工作機械のことを、タッピングセンタと呼びます。ここが、他の一般的な切削加工で使用されるマシニングセンタとの違いです。ただ、マシニングセンタの中には、さまざまな機能に加え、タッピング機能が搭載されているものもあります。
マシニングセンタは一般的な切削加工に使用される場合が多く、ジグボーラーは仕上げプロセスで使用される場合が多い機器です。とはいえ、両者を比較したとき、機能面においてそこまで大きな違いはありません。強いて挙げるとすれば、垂直方向の加工精度はジグホーラーのほうが高いという点です。ジグホーラーは、高い仕上げ精度が求められるものを少量つくりたいときに、特に重宝する機械だといえます。
マシニングセンタとの違いは「工具交換の有無」です。工具交換ができないNC工作機械の場合、工程ごとに工具交換をしなくてはなりません。その点、工具交換が不要なマシニングセンタは作業効率に優れた機械であるといえます。よって、処理速度が要求されるときには、マシニングセンタがおすすめです。
NC旋盤にマシニングセンタの要素を加えたものが複合加工機である、という表現をすれば、両者の違いがわかりやすくなるかと思います。NC旋盤とマシニングセンタそれぞれの要素の強さが、すなわちそれぞれの複合加工機がもつ特徴ということになります。
各工作機械にはさまざまな用途やおすすめの使用場面などがあることは、上述のとおりです。ですから、加工したい内容に応じて適切な工作機械を選ぶことが大切です。付加機能にこだわるよりも、まずは主軸やATCの仕様やテーブルサイズなど、根幹となっているスペックを確認するとよいでしょう。
適したマシニングセンタを選ぶためには、主軸の仕様・ATCの仕様・テーブルのサイズを確認することが必要です。主軸の仕様については、採光回転速度、最大トルク、そして主軸径の3点が、特に重要なチェック項目となります。
おもに小径の刃物を使う場合にポイントとなってくるのが、最高回転速度です。小径の刃物は、円周が小さいので、通常よりも速い回転速度が必要になる、というのがその理由です。マシニングセンタのラインナップには、高速回転仕様がたいてい含まれているので、見つけるのにそれほど苦労することはないでしょう。
重切削をおこなう場合には、切削時に生じる抵抗に負けないトルクが必要です。特に、大径のエンドミルやフライスをひんぱんに使用するような場合には、マシニングセンタのトルクは高ければ高いほうがよいといえます。トルク仕様はたいていラインナップに入っているので、高いトルクをもつ1台はすぐに見つけられるはずです。
機械の剛性に直結する主軸径。ですから、剛性をそなえたものでなければ、大径の刃物を使ってうまく加工することは、かなり難しいでしょう。主軸径が大きいとトータルのコストはどうしても高くなってしまいますが、一方で、大きい刃物を取り付けやすいというメリットはあります。
ATCは「Automatic Tool Changer」の頭文字をとった略語です。自動工具交換装置という意味です。ATCは、工具の交換にかかる時間や工具の収納数に大いに影響するため、仕様をあらかじめしっかりと確認しておきましょう。おもな仕様としては「タレット式」と「マガジン式」の2つが挙げられます。前者は工具の交換頻度が高い場合に、そして後者は多数の工具を収納したておきたい場合に、それぞれおすすめです。
ワークを設置するのに充分な広さがあるテーブルが必要です。マシニングセンタの主軸径が大きければテーブルのサイズも大きい、というパターンがほとんど。「テーブルのみを大きくしたいけれどコストはおさえたい」と考えている方のために、オプションで対応しているモデルもあるようです。
関連ページ
マシニングセンタの基礎知識