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エンプラとは、エンジニアリングプラスチックの略で、耐熱性・機械的強度に優れるプラスチック。
一般的なプラスチックと異なり、工業用の過酷な条件の中でも使用ができるよう、研究開発により性能が高められています。
主に自動車、電機、電子機械の部品に活用されています。
エンプラには明確な定義があるわけではありませんが、一般的に100℃以上の長期にわたる耐熱性と、40Mpa以上の引張り強さを持つプラスチックがエンプラに該当します。
エンプラは種類が多く、さまざまな用途に使用されています。エンプラで使われているものの一例を挙げると、自動車のヘッドライトなどの機械部品や電気・電子部品、薬品や液体の容器、写真立てや風呂用品のような日用品などがあります。
エンプラは汎用プラスチックと比較して、耐熱性や強度に優れていて工業的な用途にも使いやすいというメリットがあります。幅広い用途に利用できるでしょう。
エンプラも汎用プラスチックと同じく軽量で合成プラスチックのため、同じ形状を大量生産しやすい素材です。汎用プラスチックよりも利用幅が広く金属よりも軽く扱いやすいため、2つの間をとったメリットがあると言えます。
樹皮全般に言えますが、素材そのものの単価が鉄などと比較するとやや高価です。さらに汎用プラスチックと比べても、エンプラは高くなっています。
種類によっては、紫外線や油脂、水による劣化が起こる可能性があります。また、金属と比較すると強度・耐熱性ともに劣ることもデメリットです。
エンプラを代表する5種類の素材を紹介します。
ポリアセタールは、耐摩耗性に優れており、自己潤滑性もあります。
剛性や靭性などの機械的特性にも優れており、金属の代替品として使用されることの多いエンプラです。
ポリアミドは、高い靭性と耐摩耗性から衣類に主に使われてきたプラスチックです。
近年では、融点の高さや耐薬品性・耐油性に優れることから自動車産業や薬品の実験器具などにも活用されています。
ポリカーボネートは、耐衝撃性に優れ、透明度の高い素材であることから、カメラレンズや車のヘッドランプなど多種多様な業界で活用されています。
編成ポリフェニレンエーテルは、耐熱性や力学的性質、電気的性質に優れたプラスチックです。
上記のような特徴から、OA機器や電気・電子部品、自動車部品などに活用されています。
ポリブチレンテレフタレートは、優れた耐薬品性、耐油性から、ポリアミド同様に自動車産業の素材として注目されている素材です。
エンプラの中でもトップクラスに寸法安定性が高いのも特徴の1つ。
エンプラは、素材の剛性がそこまで高いわけではないので、金属切削・木材切削の加工機、「NCルータ」か「マシニングセンタ」があれば、切削加工は可能です。
これから樹脂切削のために新規導入を考えるのであれば、導入費用を考慮するのであればNCルータ、精度を重視するならマシニングセンタがよいでしょう。
素材の耐油性なども加味して、乾式・湿式といった方式もしっかり確認が必要です。
自社に適切な機器は「NCルータ」なのか、「マシニングセンタ」なのか、スペック表を見て確認しましょう。
自社に合うのはどっち?
「NCルータ」「マシニングセンタ」
スペック表を見てみる
射出成形や塗装などの加工方法に適した材料として知られているエンプラ。そしてじつは、汎用プラスチックと同様、エンプラは切削加工にも適している材料であるといえます。 エンプラ全体の90%を占める5大汎用エンプラである「ポリアセタール」「ポリアミド」「ポリカーボネート」「変性ポリフェニレンエーテル」「ポリブチレンテレフタレート」。
それぞれのエンプラが持つ性質のうち、短所についてしっかりと把握したうえで、危険を回避して切削加工をおこなうための参考にしてください。
ポリアセタール:乳白色で透明性がない
ポリアミド:吸水性が高いので寸法安定性が低い
ポリカーボネート:耐薬品性が低い
変性ポリフェニレンエーテル:有機溶媒に弱い
ポリブチレンテレフタレート:加水分解および耐熱性(非強化)