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切削加工の作業中に生じる振動全般を「ビビり」と言います。「ビビり」が生じると加工の精度や生産性が低下する恐れがあるため「ビビり」が頻発するようであれば、しかるべき対策をとる必要があります。ただ「ビビり」の原因は一つとは限りません。複合的に組み合わさって生じることもあるので、原因を見極めた上で対策が必要です。
切削抵抗や機械と工具の剛性が大きく関係してきます。具体的なビビりの原因について紹介します。
切削抵抗が大きい素材を加工する場合、工具と素材の加工点からビビりが発生します。特に切削面が大きい正面フライス加工やエンドミルによる側面加工などは、通常よりも「ビビり」が発生しやすくなるので注意が必要です。
剛性とは、加えた力に対する「変形のしづらさ」のことです。剛性が高い物は変形しづらく、剛性が低い物は変形しやすくなります。
「ビビり」が発生する原因として機械や工具の剛性が素材と合っていないことが挙げられます。素材の種類や加工方法に応じて、適した機械や工具を使い分けましょう。
素材自体の剛性が足りないと「ビビり」が発生しやすくなります。治具で素材を保持する方法や加工工程の見直しなど、見直せる点を見直していきましょう。
「ビビり」が発生すると、素材の仕上げ面にうろこ状の痕が残りやすくなります。「ビビりマーク」と呼ばれるもので、仕上げ面の劣化や加工不良に直結します。
「ビビり」は加工中の過度な負荷から発生するため「ビビり」が生じている時には刃先のチッピングや工具折損といった不具合が起きやすくなります。特に長時間作業を行う金型加工では、時間に比例して工具にかかる負荷も大きくなるため「ビビり」も発生しやすくなります。
「ビビり」による振動は機械そのものに負荷がかかります。改善されない場合、機械の主軸やモーターなどの損傷の原因になりかねません。
剛性の高い工具や不等ピッチの工具を選ぶと「ビビり」が発生しにくくなります。素材に合った工具を選ぶようにしましょう。
作業時に段取りを見直す工程を入れることで「ビビり」の発生を未然に防止できます。「ビビり」の主な原因は、負荷が大きすぎること。素材にかかる負荷を想定して、発生する振動を考慮しましょう。振動の大きさからクランプや治具を見直すことで「ビビり」を防止できます。
「ビビり」は切削加工において頻繁に生じるトラブルの一つです。どのような時に発生するのか、そして対策方法に至るまで、改めて見直しておきましょう。
「ビビり」の発生を放置すると、生産性の低下や不良品の増加などの製造業における致命的なトラブルにつながります。適切に対応していくように心掛けましょう。
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