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コンピュータ制御で、高精度な作業を可能にするNCルータ。さまざまな素材に対応し、削る業務の多くをカバーできます。
NCルータ導入においてしっておきたいのが、刃物台のバリエーションです。いくつか種類があり、それぞれメリット・デメリットがあるので、必要なものを選ぶ必要があります。
この記事では、NCルータの刃物台、また刃物台周辺の仕組みや旋盤についても解説します。
刃物台とは、その名前の通り刃物を取り付ける台です。フラット型、櫛刃型、タレット型などいくつか種類があります。複数の刃物を取り付けられ、使い分けもコンピュータで自動でやってくれます。
NCルータには、NC旋盤と呼ばれる旋盤が必要です。なぜなら、従来の旋盤では、刃物台に付けられる工具本数が数本しかないためです。
NCルータのメリットのひとつに、人の手を必要としない自動加工という点が挙げられます。工具が数本しか取り付けられない従来の旋盤では、必要に応じて都度工具を人の手で変えなければならず、NCルータのメリットが損なわれてしまうでしょう。
刃物台を含む部分をNC旋盤と呼び、スピンドル、心押台、刃物台という構成になっています。
スピンドルは、旋盤の回転主軸部分で、被削材を固定するチャックがついています。コンピュータが被削材や位置を認識するのに必要なポジションコーダと連結されています。
心押台は、回転センタを取り付ける部分のことで、被削材を安定させる役割があります。被削材が大きく長いものであれば、作業中にブレが出てしまう可能性がありますが、心押台で補助することで加工精度が安定します。
フラット型は、汎用旋盤と同じ形状が特徴です。1つの面に1つずつ工具を取り付け、刃物台全体が回り工具を切り替えて作業します。
フラット型のメリットとして、芯出しの作業が容易に行える点が挙げられます。
ただ、1つの面に1つの工具のため、セットできる工具本数は比較的少なくなるのがデメリットとして挙げられます。4角や8角、それ以上の多角型フラット型刃物台もあります。
髪をとかす櫛のように、水平面に工具を並べて配置したのが櫛刃型です。工具が一列に並んでいるため、割り出し時間が不要になり、繰り返し制度が高いのがメリットとして挙げられます。
横一列に並んだ工具はデメリットにもなり、加工時に干渉し合う可能性があります。
タレット型は、大きな円型の刃物台で、円の外周に工具を並べて取り付けるタイプです。NC旋盤で比較的多く採用されている型で、多くの工具を取り付けられます。NCルータのメリットである自動化に適切な型といえるでしょう。
ただ、芯ズレの修正や、タレットに重量があるため軸にある程度の耐性が必要などのデメリットもあります。
NCルータの刃物台は数種類(フラット型、櫛刃型、タレット型)あります。取り付けられる工具の数や使いやすさなど、それぞれメリット・デメリットがあり、必要に応じて選ぶといいでしょう。
NCルータは、コンピュータ制御で作業をコントロールでき、精度の向上や省人化に期待できます。ただ、闇雲に導入すればいいわけではなく、導入前に構造や仕組みなどをある程度把握しておいたほうが、正しい選択ができます。知っておきたい基礎知識は、以下で確認してください。
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