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1円玉やアルミ缶など、日々の生活の中でも見ることの多いアルミですが、軽く、加工性が良いことから様々な分野の機械部品の加工材料としても私たちの生活を支えています。
酸化アルミニウムを多く含むボーキサイトから製錬される物質がアルミです。抽出した酸化アルミニウムを電気分解することでアルミニウムのみを取り出し、さまざまな加工を経て製品素材になります。アルミはやわらかいため、場合によっては、強度をアップさせる必要が生じます。その際には、銅やマンガン、ケイ素、マグネシウムといった金属を加えてアルミニウム合金をつくり、対応します。
一部のアルミが持つおもなデメリットとしては、強度の低さがあげられます。特に、一般に多く使用されている「A5052」や「A2017」などのアルミは、強度の低さにより凹みやすい性質があります。また、金属がこすれるような使い方をすると、充分な強度がないため、焼き入れなどの処理ができません。その結果、摩耗が生じる原因となってしまいます。
非常に多くのメリットをもつアルミですが、切削加工においては注意が必要な問題点もあります。次のようなポイントをおさえつつ加工をおこなうことが大切です。
切削加工で使用されるアルミ材は、アルミの欠点を解消するために他の金属が加えられてアルミ合金となっています。このため、アルミ材と一口にいっても実は複数種類のアルミ合金があります。
加えられている金属によって「番手」という呼び名があり、1000番系~7000番系までの7種類があります。
1000番手系は純アルミのことで、純度99%以上のアルミを指します。
耐食性、熱伝導性、導電性に優れますが、強度が低く、扱いが難しい素材です。
主にそれほど強度が必要ではない部品に使用されています。
2000番手系はジュラルミンと呼ばれ、アルミに銅を加えた金属材料。
1000番手よりも強度は上がりますが、耐食性は低くなります。
3000番手系は、アルミニウムにマンガンを加えることで、強度・耐食性を向上させています。
切削加工の材料として使用されることはあまりありませんが、アルミ缶など様々なものに活用されています。
4000番手系は、シリコンを加えたアルミニウム。シリコンの特性でもある耐熱性と耐摩耗性を付与することが可能です。
他のアルミニウムと比べると融点が低く、熱膨張も少ないため、鍛造ピストン等使用されます。
5000番手系は、マグネシウムを加えたアルミニウム。
マグネシウムの特性である耐食性と強度を高めることが可能。加構成にも優れ、アルミニウムを材料とする切削加工においてはメジャーな素材と言えます。
船舶や車輌など強度を求められるものに使用されています。
6000番手系は、シリコンとマグネシウムが加えられています。
5000番手系と桑部手も耐食性や強度に優れており、熱を加えることでさらに硬化するものもあります。
主にボルトやナット、リベットなどの機械的な接合に用いられます。
7000番手系は、亜鉛とマグネシウムが加えられたアルミ材。
熱処理を加えることで強度が上がり、アルミニウムの中でもトップクラスの硬度となります。
耐久性を必要とする物に使用されており、車や飛行機の部品、スマートフォンの筐体などに活用されています。
アルミは、番手にもよりますが、素材の剛性がそこまで高いわけではないので、金属切削・木材切削の加工機、「NCルータ」か「マシニングセンタ」があれば、切削加工は可能です。
これからアルミ材切削のために新規導入を考えるのであれば、導入費用を考慮するのであればNCルータ、精度を重視するならマシニングセンタがよいでしょう。
自社に適切な機器は「NCルータ」なのか、「マシニングセンタ」なのか、スペック表を見て確認しましょう。
自社に合うのはどっち?
「NCルータ」「マシニングセンタ」
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