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切削加工と旋削加工のちがいとは

こちらの記事では、旋削加工に関する情報をご紹介しています。加工の種類や加工時のポイント、注意すべき点などについてまとめていますので、旋削加工について知りたい方は参考にしてみてはいかがでしょうか。

旋削加工とは?

「旋削(せんさく)加工」とは、主に旋盤を用いて材料を回転させ、外径用バイトや内径用バイト、ドリルなどの工具を当てて移動させ、目的の形状・寸法に仕上げていく方法を指しています。例えばボルトやシャフトなどがこの旋削加工によって作られていますが、基本は丸い部品を形成する目的で使われる加工方法です。

切削加工となにがちがうの?

切削工具を用いて対象のものを切る・削るなどする方法を「切削(せっさく)加工」と呼んでいます。金属だけではなく木材やプラスチックなどにおいて一般的に使われている加工方法であり、多くは専用の工作機械と工具によって加工が行われています(カンナやノミを使用して人力で行う場合もあります)。

切削加工では工作物の形状に合わせてさまざまな方式を使い分けますが、その方法は大きく分けて加工物を固定して工具を回転させる「転削」と、工作物を回転させる「旋削」の2種類があります。このことから、旋削加工は切削加工の一種であるといえるのです。

旋削加工の種類

旋削加工にはさまざまな種類があります。ここでは「外径加工」「端面加工」「内径加工」「ねじ加工」「総形加工」の5つの方法について見ていきましょう。

外径加工

「外径加工」は材料の外周を削る加工方法です。「外周加工」とも呼ばれており、片刃バイトや剣バイトを用いて加工を行います。基本的な加工方法は「外丸削り」と呼ばれるものですが、そのほかにも「段削り」「テーパ削り」「曲面削り」「溝入れ」「突切り」「ローレット切り」といった方法があります。

端面加工

材料の端面を削る加工方法を「端面加工」と呼び、片刃バイトや剣バイトを使用して加工を行います。「端面削り」「正面削り」「面取り」といった種類がある加工方法です。

内径加工

材料に穴を開ける方法が内径加工ですが、「穴あけ加工」とも呼ばれます。穴を開けるためにドリルや中ぐりバイトを使用します。加工方法としては、材料の中心に穴を開ける「穴あけ」や材料に開けた穴を広げていく「中ぐり」といった方法が用いられます。

ねじ加工

材料の外周や内周にねじ山を作っていく加工方法を「ねじ加工」と呼びます。おねじ切りバイトを使用して材料の外周におねじを削り出す方法を「おねじ切り」、めねじ切りバイトを使って材料の内側にめねじを削り出す方法を「めねじ切り」と呼びます。

総形加工

あらかじめ決められた形に成形された工具を使用して削っていく方法を「総形加工」といいます。複雑な形を効率よく削りたい場合に用いられる方法です。

旋削加工のポイント

旋削加工を行う際には「切削速度」「送り量」「切り込み量」の3点がポイントとなっており、どれかを優先するのではなく、バランスを保ちながら加工を行う必要があります。ここでは、それぞれの要素について見ていくことにしましょう。

切削速度

切削工具が材料を削る速さを「切削速度」と呼んでおり、1分間に切れ刃が進んだ距離で表されます。切削速度が速いと短時間で加工が行える上に仕上がりが良くなるものの、工具の寿命が短くなってしまうといった面もあるため注意が必要です。

送り量

「送り量」とは、旋削加工を行う中で主軸が1回転する間に軸方向または半径方向にどれだけの距離工具を進められたか、という点を表します。この送り量を大きくした場合には、早く加工が行えるものの加工面が荒くなります。

切り込み量

「切り込み量」とは、工具の切れ刃が材料に当たっている距離(深さ)を表しています。切り込み量が大きい場合には加工時間が短くなるものの、切削時に発生する熱や抵抗も大きくなるため注意しましょう。この切り込み量は、工具が持つ切れ刃の長さによって適切な量が変化します。

切り屑に注意

旋削加工を行う上では、切り屑の形状にも注意が必要です。理想的な切り屑、注意すべき切り屑に加えて、切り屑に問題が見られる場合の対応についてご紹介します。

理想的な切り屑とは

加工を行う中で理想的な切り屑といえるのが、なめらかにつながっている「流れ型」の切り屑です。ここれは、切削時の抵抗変動が少ないときに現れるものです。

注意すべき切り屑とは

上記とは逆に注意したい切り屑は、粉状の切り屑が出る「せん断型」のものや、表現がむしられるように排出される「むしれ型」と呼ばれる切り屑です。これらは仕上げ面の精度が劣っているということなので注意しましょう。

また、加工物の表面に食い込みながら排出される「亀裂型」と呼ばれる切り屑の場合も仕上げ面の精度が劣っていることを表すため、こちらにも注意が必要です。

切り屑の形状に問題が見られる場合の対応

問題のある形状の切り屑が見られる場合には、切削条件の見直しが必要です。例えば「切削速度を上げる」「切り込み量を浅くする」といった対応が考えられますので、理想的な切り屑が出るような条件を目指しましょう。

まとめ

こちらの記事では、旋削加工に関する情報をご紹介してきました。旋削加工とはどのような加工方法なのかといった点から加工時の注意点まで基本的な内容をまとめていますので、旋削加工を行う際の参考にしてみてください。

また、本サイトでは自社に合った切削加工機の選び方についてご紹介していますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。

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