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プラスチックとは、熱や圧力を加えることにより成形加工のできる高分子物質のこと。高分子物質には天然樹脂と合成樹脂がありますが、基本的にプラスチックというときには製油から生まれた合成樹脂を指しています。
一般的にプラスチックはたくさんの石油が使用されていると思われていますが、実際には石油の全使用量におけるプラスチックの割合は7%ほどでそれほど多くありません。また公害性の強い素材としてのイメージもありますが、使用済みのプラスチックを焼却処理してその熱エネルギーを暖房などに有効に利用したり、再び溶かしてベンチなどの材料として再利用するなど、貴重な資源として効率よく利用されています。
プラスチックは透明性に優れているものも多くあり、染料や顔料などを使用した着色が容易です。明るく美しい製品に仕上がるでしょう。また、柔らかいものから硬いものまで製品の性質の幅が広いです。
基本的にプラスチックは、酸やアルカリ、油に強く、錆びたり腐ったりしません。薬品に侵されにくく、酢などを入れても問題ありません。また、金属や陶磁器などに比べて比重が小さく、軽くて強いという特徴もあります。
金属と比べるとプラスチックは耐熱性や機械的な強度が低く、耐久性の面で劣ります。溶剤に対しても弱いです。
プラスチックは、種類によって熱に弱いです。熱によって形が変わってしまったりしてしまうことも。ただし、その特徴を生かしてさまざまな形に加工することが可能で、簡単に大量の製品をつくることができます。
合成樹脂とも呼ばれ、人工的に合成された樹脂をプラスチックと呼びます。
水に溶けにくく、安定性があり、形を保持する性質を持つプラスチックは、非常に使い勝手がよく、私たちの身の回り数多くのプラスチック製品・部品があります。
ここでは、そんなプラスチックの種類を紹介していきます。
プラスチックの中でも約8割程を占める一般的な熱可塑性樹脂のプラスチックで、生活用品や工業製品などに大量に使われています。
他のプラスチックと比べても、
・安価
・加工性が高い
・量産しやすい
・耐熱性能が100℃程度
という特徴があります。
エンプラとは、エンジニアリングプラスチックの略で、耐熱性・機械的強度に優れるプラスチック。
一般的なプラスチックと異なり、工業用の過酷な条件の中でも使用ができるよう、研究開発により性能が高められています。
主に自動車、電機、電子機械の部品に活用されています。
スーパーエンプラとは、スーパーエンジニアリングプラスチックの略で、耐熱性・機械的強度にが非常に高いプラスチック。
エンプラとスーパーエンプラで違いの定義は明確にあるわけではありませんが、おおむね150℃以上の耐熱性を持つものをスーパーエンプラと呼ぶ場合が多いようです。
エンプラよりも機能性に優れており、軽量であることから金属部品の代用品として重宝されています。
加熱することで硬化するプラスチックを「熱硬化性樹脂」と呼びます。
温度変化による影響を受けにくく、機械的強度、耐熱性に優れているのが特徴。
一度固まると、再び過熱しても溶けたりはしないため、再利用の難しい素材でもあります。
プラスチックは、物にもよりますが素材の剛性がそこまで高いわけではないので、金属切削・木材切削の加工機、「NCルータ」か「マシニングセンタ」があれば、切削加工は可能です。
これからプラスチック切削のために新規導入を考えるのであれば、導入費用を考慮するのであればNCルータ、精度を重視するならマシニングセンタがよいでしょう。
素材の耐油性なども加味して、乾式・湿式といった方式もしっかり確認が必要です。
自社に適切な機器は「NCルータ」なのか、「マシニングセンタ」なのか、スペック表を見て確認しましょう。
自社に合うのはどっち?
「NCルータ」「マシニングセンタ」
スペック表を見てみる
身の回りの製品から精工な機械まで、きわめて幅ひろい用途で活用されているプラスチック。ちかごろでは、さらに、製品機器のプラスチック化が加速しています。製造原価をおさえるための対策が大きな理由のひとつとなっています。
プラスチックは便利な素材ではありますが、産業分野における金属部品やセラミックス部品などをプラスチック化する場合には、プラスチックへの切り替えには慎重さが求められます。従来の材料で製造されていた場合とプラスチック化した場合とでは、生産性や製品使用寿命、材料の耐用年数、製品コストなどが、どう変化していくのかを計算しなくてはなりません。
また、プラスチック成型品に関連する規制などもあるため、考慮すべきポイントがかなりたくさんあるのです。