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NCルータを選ぶうえで重要なポイントとして、ATCの有無が挙げられます。ATCひとつで業務効率が大きく変わる可能性があり、また、選ぶ際は適切なものを選択する必要があります。ここでは、ATCの種類やメリットについて解説します。
ATCは「Automatic Tool Changer」の略で、日本語で自動工具交換装置といいます。ATCの役割は、ツールマガジンについている工具を自動で交換してくれる役割があります。
1つの工具では対応できない複雑な加工や切削において役に立つ、NCルータの重要な装置です。
タレット式ATCは、ドラム形状の見た目が特徴です。ドラムの外周には工具を差し込む部位が備え付けられています。
工具を変更する際はドラムが回転し、加工に応じた工具を素早く選定します。
タレット式ATCの強みは、工具交換のスピードが速い点です。ドラムが高速で回転しすぐに切り替わり、加工を終えるまでの時間短縮にも期待できるでしょう。
デメリットとして挙げられるのが、使用できる工具の制限です。工具のサイズ、重量、また一度に設置できる工具の数にも制限があるため、被加工物次第では対応できない可能性があります。
マガジン式ATCは、マガジンに装填された工具をチェンジャーアームと呼ばれるロボットアームが交換するATCです。
一度に装着できる工具の数が多く、小型のモデルで40本、大規模なものであれば数百を超える工具を装着可能です。
大量の工具を装着できる一方で、工具交換に時間がかかる点がデメリットになり得るでしょう。
マガジン式ATCが工具を替える際、次の工具をマガジン内から取り出し、現在装着されている工具を取り外し、アームが付け替えるという工程が発生します。最初に紹介したタレット式ATCと比べると時間がかかりがちです。
ATC付きのNCルータを使えば、作業時間の短縮に期待できます。
ATCがない場合、工具の交換には、一度機械を止めて工具を手動で付け替えなければなりません。複数種類の工具を使う場合は停止する頻度も多くなり、その分加工に必要な時間が多くなってしまいます。
複数の工具を使用するような複雑な加工をするシチュエーションを考えてみましょう。
工具を手動で交換しなければならない場合、各工具の工程が終わるたびに機械を止めて、手動で交換しなければなりません。
一方、ATCが搭載されている場合、加工を始めるときに必要な工具を装着しておけば、加工完了まで機械を止める必要はなく、また、人の手を借りる必要もありません。
工具交換に人員を割く必要がなくなり、ほかの作業に割り当てられ、生産性向上に期待できます。
ATCの有無によって、業務効率は大きく変わります。ATC搭載であれば手動による工具の変更は不要で、加工の時間が短縮できるでしょう。
ATCは大きく分けて2つ種類があり、用途に応じて正しいATCを選ぶことが重要です。一度に装着できる工具に制限はあるが工具の変更が速いタレット式ATC。大量の工具を装着可能だが工具の変更に時間がかかるマガジン式ATC。加工物に応じて必要なものを選びましょう。
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