切削加工機メディア~切削ナビ~
公開日: |更新日:
展示会やイベント、舞台美術の現場では、大型の立体造形や看板などを短期間で製作するニーズが常にあります。本記事では、発泡スチロールや木材、カルプ材などを用いた造形において、スピードと精度を両立する加工技術の用途や選び方、適した加工機を解説します。
展示会や舞台美術の現場において、来場者の目を引く巨大なモニュメントや立体看板は欠かせない要素です。用途は展示会ブースの装飾からイベントのフォトスポット、店舗ディスプレイ、キャラクターオブジェに至るまで多岐にわたります。こうした大型造形物の製作には、軽量で扱いやすい発泡スチロール(EPS)やスタイロフォーム(XPS)、ウレタンフォーム、さらに立体文字に適したカルプ材が用いられています。また、手作業では困難な滑らかな曲線や複雑な輪郭であっても、機械による切削加工を導入することで、安定した品質での再現が可能です。
イベントや展示会の準備期間は限られていることが多く、いかに短いスケジュールで必要な造形物を完成させるかが重要な課題と言えるでしょう。そこで活用されているのが、設計した3D CADなどのデータから直接機械を動かして削り出す加工手法です。従来のように図面から手作業で寸法を拾い上げて形を作っていく工程を省けるため、製作にかかる時間を大幅に短縮することにつながります。急なデザイン変更が生じた場合でも、データを修正するだけで速やかに新しい形状の削り出しに移行できる点は、現場の大きな助けとなります。
テーマパークの装飾や舞台セットなど、数メートルに及ぶような巨大なオブジェクトを製作する場合、機械の加工エリアに一度に収まらないケースが珍しくありません。そのような場面では、あらかじめ全体を複数のパーツに分割した上で加工を行い、現場でパズルのように組み立てる手法が取られています。それぞれの接合部分がピタリと合うように高精度な切り出しが求められますが、機械制御による加工であれば、組み立て時のズレを最小限に抑えることが可能です。結果として、搬入経路の制限をクリアし、設営の手間も軽減されることになります。
実際に加工の技術や依頼先を選ぶにあたっては、自社が求める造形物の大きさに対応できるかどうかが最初の確認ポイントになります。加工機自体が持つストローク(刃物が動く範囲)が十分に広いことはもちろんですが、それ以上に分割加工に対するノウハウを持っているかが重要と言えるでしょう。どこで分割すれば強度を保てるのか、あるいは現場での組み立て作業がスムーズになるのかといった、完成後の運用まで見据えた提案を受けられるかどうかが、プロジェクトを成功に導く鍵となります。
厳しい納期が求められるイベント業界では、加工機の物理的なスピードだけでなく、データ処理を含めたトータルでの効率性が求められます。普段使用しているデザインソフトのデータを、どれだけスムーズに加工機側へ取り込めるかは、作業時間を左右する大きな要素です。特殊な変換作業を必要とせず、作成したデザインデータから素早くプログラムを生成できるシステムを選ぶことで、企画から製作開始までのタイムラグを減らすことが期待できるでしょう。
舞台美術や展示会のブース設計においては、演出の目的に応じてさまざまな素材が使い分けられています。メインの立体造形には軽量な発泡スチロールを使用し、強度が必要な骨組みや土台には木材や合板を採用するといった複合的な作り方が一般的です。そのため、発泡スチロールなどの軟質材では加工時の摩擦熱による溶融を抑えながら切削できることと、硬い木材を力強く切り出せることの両方に対応できる技術が重宝されます。使用する刃物や回転数、送り速度を素材に合わせて柔軟に調整できる仕組みを持った設備を選ぶことが推奨されます。
舞台の背景となる大きなパネル材の切り出しや、イベント看板に使われるカルプ文字の大量生産において強みを発揮するのがNCルータです。平面方向の素早い動きを得意としており、MDFや合板といった大判の板材から必要なパーツを無駄なく効率的に抜き出す作業に適しています。また、看板のベースとなる素材を彫り込んで凹凸をつけるような2Dおよび2.5Dの加工も得意としているため、平面的な装飾をスピーディに量産したい場面で非常に頼りになる機械と言えるでしょう。
テーマパークで見られるようなリアルな岩肌の表現や、丸みを帯びたキャラクターの立体造形など、より複雑な3D形状を求める場合に向いているのが多軸(5軸)加工機です。縦横の動きだけでなく、刃物の角度を自由に変えながら削り進めることができるため、入り組んだ形状や裏側に回り込むような加工も一度のセッティングで行うことが可能になります。ウレタンフォームなどのブロック材から、デザイナーが描いた有機的なフォルムをそのまま削り出したいときに適した選択肢となります。
空間を彩るクリアなアクリル装飾や、繊細なデザインが施された切り文字サインの製作で活躍するのがレーザー加工機です。刃物が直接素材に触れない非接触の熱加工であるため、切断時の圧力による素材の割れや欠けを防ぎ、極めて細かな模様も綺麗に表現することができます。アクリルの切断面が滑らかに仕上がる点も大きなメリットであり、照明と組み合わせた際の見栄えが重要なイベント装飾において、刃物では対応しきれない精密な意匠を実現するための力強い味方となってくれます。
関連ページ
業界・分野別に見る切削加工
何かあった際にすぐにサポートに来てくれる「国産メーカー」の中から、
自社の希望に合ったNCルータを見つけられるよう「NCルータ製品数」の多い3メーカーをピックアップ。
それぞれのNCルータの特徴を紹介していきます。



Google検索にて「NCルータ メーカー」で調べた際(2021年10月27日時点)に上位に表示される5社の中から
・国産メーカー
・NCルータの製品数が多い3社
をおすすめのメーカーとして紹介します。
※その中で唯一、NCルータのみを製造している企業。