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NCルータとレーザー彫刻機。「コンピュータで制御する彫刻機」という点においては共通していて、一見同じようにも見えます。なかには「まったく同じものだ」「言い方が違うだけ」と認識している人もいるかもしれません。しかし、NCルータとレーザー彫刻機には多くの違いがあります。
レーザー彫刻機は、その名の通り被削材をレーザーで彫刻します。刃物を使用しないため、加工中は被削材への物理的な接触を伴いません。刃物の劣化や、刃が折れてしまうといった心配もありません。
レーザー彫刻加工する場合、各軸(X、Y、Z)やレーザーヘッドを調整はコンピュータで行います。この点はNCルータと類似していますが、レーザー彫刻機の設定や操作は比較的容易で、被削材の固定は必要ありません。気軽に導入できる点も特徴です。
熱で加工するレーザー彫刻機。利用されているシチュエーションはさまざまですが、たとえばアクリルの加工や細かい彫刻が挙げられます。アクリルは、加工した面がキレイに仕上がります。文字の彫刻は、刃物を用いないため細かな文字にも対応しやすいです。
木材を加工したい場合、レーザー彫刻機はおすすめできません。なぜなら、レーザーの熱によって焦げてしまったり、燃えてしまう可能性があるから。被削材は、レーザー加工機の発する熱に耐えられるものを選ぶ必要があります。
また、熱に強い被削材でも、長時間の使用は要注意です。彫刻機周辺の温度が上がり、被削材へ影響し、加工精度が落ちる可能性があります。
レーザー彫刻機は、前述のとおりレーザーによる熱で加工します。一方NCルータは、工作機械に備え付けられている工具によって彫刻します。
レーザー彫刻機とNCルータでは、対応している素材が異なります。
レーザー彫刻機は、木材などの燃えやすい素材を加工すると、焦げてしまう、あるいは燃える危険性があります。また、ステンレスや鏡のようなレーザー光を反射するものは、対応できません。
NCルータは、レーザー彫刻機に比べてより幅広い素材の加工が可能、さらに大きい被削材にも対応します。
ただ、レーザー彫刻機では対応できる小さな文字にについては、高い精度はあまり期待できません。
レーザー彫刻機は、光熱のレーザーによる燃焼化学反応により、被削材によっては煙や油のような臭いが発生する可能性があります。
一方、NCルータは刃物で彫刻するため、そのような臭いは発生しません。しかし、被削材の粉塵が発生します。
レーザー彫刻機とNCルータは、コンピュータ制御という点では共通していますが、使用用途や彫刻の方法などは大きく異なります。それぞれ得手不得手があるため、使用用途に合った彫刻機を選びましょう。
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