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国土の7割が森林である日本では、古くから木材を加工して身の回りのさまざまな家具や日用品を作ってきました。
今でも名工と呼ばれる職人さんによる手作業で作られる芸術的な木工品もありますが、木の優しいぬくもりを安価で提供することも有意義なことです。
現在の木工業界で使用されている切削加工機は、コンピューター制御で大量生産に対応できるような機器も導入されてきています。
木材は湿気が多いと水蒸気を吸い込み、少ないと水蒸気を放出する特性があります。そのため夏は湿度が高く、冬は乾燥する日本の住宅用材に適しています。
また、木材はのこぎりやナイフ、のみと言った刃物さえあれば加工が簡単に施せる材料です。割裂性も高く、繊維に沿って縦にくさびを打ち込むことで簡単に割ることができます。
木材には、軽くて強いというメリットがあります。木材は一見コンクリートや鉄に比べて強度が劣るように思えますが、同じ重量で比べると鉄の約4倍、コンクリートの約6倍の圧縮強度を備えています。
木材は断熱性が高く、熱伝導率が低い特徴があります。断熱性が高いのは、木材には細胞壁で囲まれた無数の空隙があって、そこにたくさんに空気が含まれているから。断熱性が高いということは耐火性にも繋がります。木材は可燃物なので燃えますが、熱が伝わりにくいため燃えても強度が急に落ちません。
木材のデメリットとして、シロアリなど害虫の被害を受ける可能性があることが挙げられます。特にマツ材やモミ材など柔らかい木はシロアリにとって食べやすく、被害にあいやすいです。逆に、ヒノキやスギなど硬い木はシロアリ被害にあまりあわないでしょう。
木材は、含まれる水分が蒸発・乾燥し、収縮が起こることによって反り・曲がり・割れなどが発生することがあります。これらを起こさないためには、木材をしっかり乾燥させてから加工する必要があります。
木材の切削加工には、「NCルータ」を導入することをおすすめします。
NCルータとは、切る、掘る、削るといった作業を行う切削加工機。数値制御データを用いることで、手動では行うことができない細かい加工を行うことができます。数値制御データを一度作成すると、同様の加工を何度も繰り返し利用できます。
大きな材料に対応できるよう、テーブルサイズが大きい製品が多いなど、木材加工に特化して細かな機能面も充実しているのが特徴。
同様に切削加工をできる機械として、「マシニングセンタ」という機械もありますが、こちらは金属加工を中心とした切削加工機となります。
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木材の切削加工をおこなうときには、木材が持つ性質によって引き起こることが想定される、さまざまな危険を把握しておくようにしましょう。そして、危険を回避するための対策をとってから作業に移ることが大切です。また、ルータ作業やNCルータを使用する加工作業において発生しうる危険は、木材加工に限ったものではありませんが、例えば次のようなものがあります。
センターピンのホルダーの締め付けがゆるんでいないかどうかを確認することが大切です。センターピンを使い治具で加工をしているときに、仮にセンターピンが落ちて固定ができなくなると、大変危険です。キリの回転によって飛ばされた木材と冶具に人が接触してしまう可能性があります。
入力通りの動きを終了したルータが最初の位置に戻るタイミングには、特に注意が必要です。NCルータに接近しすぎると、操作盤と主軸の間に挟まれてしまう可能性があるからです。