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NCルータで問題になりがちなのが「騒音」です。騒音が発生すると近隣住民の迷惑になるだけでなく、作業者が身体的ストレスを抱えてしまうこともあります。
そこでNCルータの騒音対策について解説します。これから導入を検討されているなら、マシン選びだけでなく、騒音対策についても考える必要があるでしょう。
NCルータでは騒音が発生しますが、これは機械の構造上避けられないものだと言えます。特に目立つのは振動騒音や摩擦騒音、衝撃騒音です。
もし街中や住宅地に工場がある場合は、騒音対策を行う必要があります。なぜならNCルータなどの機械による騒音は、一般的な人々は日常的に耳にすることがない音であるためです。そのため現場の人々がそれほどでもないと感じる音量であっても、周辺住民にとっては耳障りに感じてしまうかもしれません。
工場内で使う機械の騒音は、一定以下でなければならないとされています。市販されているNCルータであれば、規定以下の騒音量であるでしょう。しかし周辺の人々にとって騒音にならないわけではありません。
騒音対策方法として考えられるのが、防音ケースの導入です。防音ケースの中にNCルータを入れることで、機械の作動音量は変わらずとも、外に漏れ出る音は少なくなります。
防音材には「遮音性」と「吸音性」の2つの機能が必要です。もし自作するのであれば、例えば遮音性が高い材料の内側に吸音材を貼る方法が考えられます。両方の性能を満たす防音ケースを準備できれば、NCルータの騒音はかなり抑えられるでしょう(※1)。
防音ケースの中に入れると3デシベルほど騒音量が減ると言われています。デシベル数にすると、それほど減っていないように感じられるかもしれません。ささやき声や静かな室内は30~40デシベルだとされています。しかし音圧は半分になるため、体感としてはさらに静かになったように感じられます(※2)。
※2参照元:ハイテッククリエイツ株式会社(https://premium.ipros.jp/ht-create/product/detail/2001153123/)
※1参照元:【PDF】国土交通省「4.航空機による騒音影響について」 (https://www.mlit.go.jp/common/001064396.pdf)
NCルータの騒音対策として、パネルを設置した事例です。設備側のフレームを利用して設置したところ、103デシベルあった騒音が82デシベルまで減りました。
周辺に漏れ出す騒音を減少させられたことはもちろん、現場の労働環境を良くすることにもつながったとのことです。
参照元:テクセルセイント公式HP(https://teccell.co.jp/saint/case/nc加工機の工場騒音対策事例/)
作動中の機械の騒音に作業者自身が悩み、防音ボックスを作成した事例です。導入したところ、夜間でも稼働させられるのではないかと感じるほどに騒音の量が少なくなったとのことです。
実際に計測した数値では、防音ボックスのみで80デシベルから63デシベルに減少。さらに内部のすべてに吸音シートを貼ったところ、53デシベルにまで減ったそうです。
参照元:ゴム銃のオッグクラフト公式HP(https://oggcraft.jp/bouonbox.html)
NCルータは騒音が発生するため、導入する際には騒音対策を行わなければなりません。防音ケースや防音パネルを導入すれば、デシベル数はもちろん、体感する騒音もかなり軽減されるでしょう。
しかしNCルータ導入の際に知っておきたいことは、騒音対策についてだけではありません。当サイトの以下のページでは、導入の際にぜひ知っておきたい基礎知識についてまとめています。初めてNCルータを導入するなら、こちらのページを参考にしてください。
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