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FA・ロボットや生産設備の部品製造には、鉄やステンレスだけでなく、アルミや樹脂など多種多様な素材が適材適所で使われています。本記事では、各部材に求められる精度や加工特性を整理したうえで、マシニングセンタやNCルータといった工作機械をどのように使い分けるべきかを解説します。
産業用ロボットのアーム関節モジュールや、精密な位置決めを行うステージ装置のベースプレートといった部品には、極めて高い剛性と寸法安定性が必須となります。これらの部品は、装置全体の稼働精度を支える土台となるため、主にSS材などの鉄鋼材料や鋳鉄、あるいはステンレスといった強度の高い重金属が採用されることが一般的です。ミクロン単位の厳しい幾何公差をクリアする必要があり、切削加工においても、硬い素材を削り込めるだけのパワーと、加工時の振動を極限まで抑える高い機械剛性が求められる領域といえるでしょう。
一方で、装置全体を覆う安全柵やロボットの可動アーム先端部、さらには製品搬送ラインのガイドレールなどには、軽量な素材が多く選ばれています。動作速度を向上させてサイクルタイムを短縮したり、省エネルギー化を図ったりするために、アルミニウム合金やMCナイロン、アクリルといったエンジニアリングプラスチックが主流となっています。これらの部品は「薄くて面積が広いパネル」や「細長い長尺材」といった形状的特徴を持つことが多く、重切削能力よりも、薄板特有のビビリや歪みを抑える固定技術や、広範囲を効率よく削るスピードが重視される傾向にあります。
工作機械の中でも特に普及しているマシニングセンタは、圧倒的な筐体剛性を持っている点が最大の特徴です。そのため、鉄やステンレス、チタンといった切削抵抗の大きな硬い素材であっても、安定して削り続けることが可能です。また、自動工具交換装置(ATC)を駆使することで、ドリルによる穴あけからエンドミルによる輪郭加工、タップ立てまでを一台で完結させることができます。高い幾何公差が求められる重要保安部品や、複雑な3次元形状を持つ金属部品の加工において、その真価を遺憾なく発揮する設備といえます。
NCルータは、マシニングセンタと比較して主軸の回転数が非常に高く設定されており、切削抵抗の少ないアルミニウムや樹脂を高速かつ美麗に仕上げることに特化しています。また、加工テーブルの面積が広いことも大きな強みであり、サブロク板(3×6尺)などの定尺材をそのまま載せて部品を切り出すネスティング加工や、4メートルを超えるような長尺アルミフレームの加工もスムーズに行えます。重切削よりも表面品位や加工範囲の広さが求められるシーンで、非常に高い生産効率を実現する機械です。
設備選定において最も重要なのは、加工対象となる素材の硬さと機械のスペックを適切にマッチさせることです。「鉄や難削材を深く削る」必要があるならば、高トルクで剛性の高いマシニングセンタを選ぶのが正解です。しかし、FA分野で近年需要が増加している「アルミや樹脂」の加工においては、必ずしもそこまでの重切削能力は必要ありません。むしろ、軽金属や樹脂に対して過剰なスペックの設備を使うことはコスト増につながるため、素材が柔らかい場合は、高速回転での軽切削に強いNCルータのような機械を選択肢に入れることが、投資対効果を高める鍵となります。
加工したい部品の形状やサイズも、機械選びの決定的な要素となります。手のひらに収まるような精密ブロック部品であれば、マシニングセンタの精密バイスで強固に固定するのが確実です。ところが、生産設備特有の「薄い樹脂パネル」や「長尺のガイドレール」の場合、一般的なバイスでは固定しきれなかったり、加工エリアが足りずに何度も段取り替えが必要になったりします。こうしたケースでは、真空吸着テーブルで面全体をフラットに保持でき、かつ広い加工範囲を誇るNCルータを活用することで、歪みのない高精度な加工と生産効率の両立が可能になります。
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