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NCルータは旋削加工や彫刻といった複雑な作業を自動的に行う機械です。人力では難しい加工もこなせる一方、正しく使用しなければ思わぬ事故につながるおそれもあります。ここでは、NCルータに起きやすい事故と安全対策について紹介します。
切削作業を行うNCルータについて、入力後に一連の作業を終えたルータの主軸ヘッド部分がはじめの位置に戻ってきたときに、機械本体と操作盤を接続しているアーム部分に腰掛けていた作業者が、ヘッドと操作盤の間に挟まれてしまったケースです。
操作盤のアームは本来ヘッドの移動範囲にあるため、立ち入りが禁止されるエリアです。安全対策としては立ち入り禁止用の安全柵を設ける必要があったと考えられます。
アーム部分は椅子として造られているわけではなく、作業者自身の判断で腰を掛けてしまった気の緩みも事故に繋がった可能性があります。機械の移動範囲内には入ってはいけないとする安全講習も必要になるでしょう。
合板加工を行うNCルータについて、切り屑を清掃するために機械を稼働させた状態で安全柵の扉を開け、フレームに近づいた作業者が移動してきたフレームとテーブルの間に挟まれた事故です。
清掃作業は本来機械を停止した状態で行わなければなりませんが、稼働中に作業を行おうとしたために、機械の移動範囲に立ち入ったことで事故が起きたと考えられます。
立ち入り禁止用の安全柵には、稼働中の立ち入りを禁止する表示を掲示するほか、作業者にも安全柵の中に勝手に立ち入らないように作業標準を周知徹底する必要があります。
NCルータは切削や彫刻など、作業内容や機器の大きさ、設置環境などによって注意すべきポイントが異なります。共通している注意ポイントは、導入前講習でも学ぶことができます。
講習会では機器を正しく使用するために、基本的な操作方法やプログラム作成実習を学びます。過去の災害事例を参考にして、挟まれ事故や巻き込まれ事故、切り傷や打撲といったさまざまな被害を防ぐための注意点についても紹介されることがあります。
ハードウェアとして回転体やカッターを使用するNCルータでは、作業中に手袋や袖口が巻き込まれる事故が発生しています。作業時には巻き込まれにくいデザインの作業服を着用することが大切です。
一方、NCルータで木材などを扱っているときに反発や弾かれが起きて、材料が手指〜腕やその他の部分に激突する事故も発生しています。袖口がまったくないもの、肌が露出する服装はかえってケガの原因になるため、肌を守る防護機能のある作業服を選びましょう。
切削くず、ホコリ、その他の汚れなどは電源を切ったあとにこまめに行う必要があります。汚れを溜めていると、作業中に気になって安全柵の先に立ち入ってしまったり、汚れを手作業で取り除こうとして手を出したりする危険があります。
NCルータの安全装置としては、作動中に誤って立ち入らないための安全柵などが設けられます。さらに、人などの立ち入りを感知するセーフティドアスイッチと呼ばれる安全装置が安全柵に搭載されることがあります。
NCルータの作業では安全に配慮し、正しい使い方を心掛けることが大切です。講習会では、災害の発生を防止するために正しい準備方法や操作が指導されます。
本サイトでは、NCルータのメンテナンスや基礎知識といった幅広い内容について紹介しています。NCルータの操作に必要な資格や機器の導入費用に関しても記載していますので、ぜひチェックしてください。
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